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Home > コラム > 第19回 リオ臭原因物質発見!(続)いまだに、リャド、リオ臭ですか?
第19回
リオ臭原因物質発見!(続)いまだに、リャド、リオ臭ですか?
ブラジル産コーヒーのリオ臭に関しては現在も異臭事故例が散見されています。 ワインのカビ臭(ブショネやコルクテイントとも呼ばれている)は、2,4,6-トリクロロアニソール(TCA)が原因物質であることはカビ臭という異臭の特徴とも合致していて納得できるのですが、「リオ臭」に関しては、異臭の特徴であるヨウ素あるいはカルキ様(消毒)臭と原因物質である2,4,6-TCAのカビ臭との間に単純な一致が見いだせませんでした。 ヒトの嗅覚には極めて精巧な機構が働いていて、カルキ臭物質とカビ臭物質を全てのヒトが混同することはまずありません。

この疑問に答える様に、今回発表された研究結果()で初めてリオ臭コーヒー豆からカルキ臭物質の2,6-ジクロロフェノール(DCP)を検出(図1)し、この物質がヨウ素臭やカルキ臭の原因物質であることを報告しています。 2,4,6-TCAや2,6-DCPによる「異臭の発生個所の特定」は、今回の研究成果も含め各方面で詳しく研究されています。 今後「リオ臭」の発生個所が特定され、コーヒー業界から「リオ臭」が過去のものとなることを願ってやみません。
図1. リオ臭豆のGC-MS分析結果
図1. リオ臭豆のGC-MS分析結果

Hiroyuki Kato, Kazunobu Sato and Takeji Takui, Analysis of Iodine-like (Chlorine) Flavor-causing Components in Brazilian Coffee with Rio Flavor, Food Sci. Technol. Res., 17 (4), 347 ? 352, 2011
「Rioフレーバーを有するブラジルコーヒー中のヨード様(塩素)フレーバ原因成分の分析」
紅茶および緑茶と同様にコーヒーは世界で最も一般的な飲料である。 原料のコーヒー豆はアフリカ,東南アジア,中米および南アメリカで収穫されている。 コーヒー豆の品質は生豆およびロースト後のコーヒーフレーバーテースターのチェックにより決定する。 官能評価は香りの良い「ソフト」から最低の「好ましくない(Rio)」までに分類されている。 ここでは,Rioフレーバーを有するブラジルコーヒー中のRioフレーバーのヨード様(塩素)フレーバーの原因物質を明確にするためにGC-オルファクトメトリー法で分析した。 実験の結果,Rioフレーバーの主要原因物質である2,4,6-トリクロロアニソール(TCA)および2,4,6-トリクロロフェノール(TCP)に加えて新規なヨード様フレーバー原因物質である2,6-ジクロロフェノール(DCP)を検出した。 2,6-DCPおよび2,4,6-TCAの検出含量はRioフレーバーのないコーヒー豆の場合は各々0.1および0.1ppb以下であったが,Rioフレーバーのあるコーヒー豆の場合は各々3.0および2.6ppbであった。 カビおよび塩素臭は2,4,6-TCAおよび2,6-DCPの両方を含有している方が各単独の場合よりも相乗効果でより強く識別された。
(2011年12月) 
 
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